技術者ワーママ からだの修理日記

技術職のワーママです。初期乳がん見つかったりうつになったり。でも何とか生きてます。

「乳がん」と「タンパク質」の新発見記事のザックリ解説

 タイトルに「技術者」って入っている割には理系感少なめの記事が多いので、ここらでちょっと理系感を出してみたいと思います。

 が、実は高校すら生物取ってなかったので全く医療系は専門外。ということで、最近話題になっている情報を「ザックリ」説明してみたいと思います。

※できるだけわかりやすく書くため正確ではない表現もあるかもしれません。もし修正すべき点がありましたらご指摘いただければ幸いです。

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今慶應大が発表した文献に関する記事が話題になっているようです。
univ-journal.jp

上記の記事では、ロイシンという物質が乳がん細胞の増殖に影響をしていることが分かった、とされています。さらに、細胞増殖にLLGL2とSLC7A5の2つのタンパク質が関わっているようです。ホルモン受容体陽性乳がんの治療には、ホルモン療法が用いられるのですが、途中で薬が効かなくなるケースがあり、その時にこの二つのたんぱく質が細胞内に多くいることが分かったとのこと。

 いまいちピンと来ないので、元ソースである慶應義塾大学のプレスリリース(↓)を見てみました。

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2019/4/18/190418-1.pdf

 メカニズムを図解したものが掲載されていました。こんなイメージだそうです。

 

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これが栄養ストレス条件下で起こるのが問題なようです。

が、これでもピンと来なかったので、そもそも何が問題なのか調べると、どうやらこういうことのようです。

 がん細胞は早く増殖するために栄養が必要で、糖とかアミノ酸をエサとして早く取り込まなければならないそうです。普通に取り込んでいると間に合わないので、「トランスポーター」と呼ばれるたんぱく質がエサの取り込みを手伝っているらしいことが分かってきて、こいつが働かないようにしてがんの進行を抑えることが期待されています。

※参考文献 膜 (MEMBRANE),33(3),108-117(2008) 

 

 これに上のメカニズムを当てはめると、

① 活性化ERが原因でLLGL2(というたんぱく質)がたくさんできる

② LLGL2がSLC7A5(という別のたんぱく質)とくっつく

③ 細胞の壁に②がくっつくとトランスポーターとして働く

④ ③がロイシン(という必須アミノ酸)を細胞内に取り込んで細胞増殖を助けてしまう

という従来の進行※とは別ルートがあることがわかったようです。

 今回の研究は”ホルモン受容体陽性”という特性をもつ場合で、エストロゲンとくっつくことで細胞増殖が促進される(※これが「従来の進行」)タイプのがんの話みたいですね。上の図にある活性化ERががん細胞を増殖させる原因で、従来はホルモン療法(タモキシフェン)でその働きが抑制されるのだそうです。今回は、そのホルモン療法が効かなくなる場合があり、その原因の一つが上の「別ルート」のようです。栄養ストレス条件下で起きる、と書かれているので、糖質制限のような食事療法で糖が不足している状況でも、代わりにロイシンを使って細胞が増殖することになります。必須アミノ酸であるロイシンを制限することは難しいため、食事制限の効果も出にくくなると考えられます。

 

今回の成果では、このメカニズムでの増殖を抑制する方法については示されていませんが、乳がんの中でも比較的多いタイプのとのことなので、今後新しい治療法や治療薬の開発が進むことが期待されています。将来研究の成果が多くの患者さんの助けになることを心から願っています。

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